生分解性ポリエステルについて
2021.12.20
繊維の洗浄によって引き起こされるプラスチックマイクロファイバー汚染の年間推定値は、500億本のペットボトルに相当すると推定されています。
廃棄ペットボトルの再生と使用は環境活動のひとつですが、さらなる環境活動として生分解性ポリエステル素材の開発をする事になりましたのでご紹介させていただきます。
生分解性ポリエステル糸
ポリエステル100% MVS 10s
ポリエステル100% MVS 30s
生分解性定義
物質が微生物によって物理的および科学的に分解され、二酸化炭素、メタン、水、ミネラル、および新しい微生物の細胞成分(バイオマス)を含む基本的な天然要素の生成をもたらす能力。
注意事項
「生分解性」表記は「ポイ捨て」、「使い捨て」が可能という誤解を与えるため、米国およびカリフォルニア州では法律により禁止されております。
特定の時間枠内で分解する製品の生分解性を主張することは避けてください。
長期的な研究により生分解性は証明されておりますが、生分解の実際の速度および程度は、自然環境の変化に基づいて大きく変化しますので、保証されるものではありません。
(ウールなどの天然繊維に匹敵する速度で合成繊維を環境中で生分解できるようにする添加剤技術はシリコンバレーで誕生しました。)
【参考データ】
自然海水環境
ASTMD6691-17定義された微生物コンソーシアムまたは天然海水接種材料による海洋環境でのプラスチック材料の好気性生物分解を測定するための標準試験方法 この試験方法は、天然海水に存在する先住民にさらされたプラスチック材料の好気性生物分解の速度と程度を決定します。 下のグラフは、天然海水で498日後、CiCLO繊維(赤い線)が74.9%生分解したのに対し、同等の未処理繊維(黄色の線)はまったく生分解しなかったことを示しています。
嫌気性消化装置の状態(埋め立て地)
ASTMD5511-18高固形分嫌気性消化条件下でのプラスチック材料の嫌気性生分解を測定するための標準試験方法 この試験方法は、都市固形廃棄物から消化物を生成するために高固形分嫌気性消化槽に入れられたときのプラスチック製品の嫌気性生分解性の速度と程度を決定します(シミュレートされた埋め立て条件)。下のグラフは、嫌気性埋立地条件で1,278日後、CiCLOファブリック(紫色の線)が91.1%生分解したのに対し、同等の未処理ファブリック(黄色の線)は6.2%の生分解にしか達していないことを示しています。 検査の結果、CiCLOファブリックは完全に生分解されました。 グラフは91.1%と表示されていますが、残りのパーセントはバイオマスに組み込まれている炭素に起因する可能性があります。
嫌気性:「空気を嫌う」および「空気(酸素)の遮断」の意味
廃水処理プラントのスラッジ
ASTM D5210-92(2007)都市下水汚泥の存在下でのプラスチック材料の嫌気性生物分解を測定するための標準試験方法、この試験方法は、廃水処理施設からの嫌気性消化槽下水汚泥への曝露による合成プラスチック材料の嫌気性生物分解の程度と速度を決定します。 研究によると、廃水処理プラントは、洗濯機の排水を介してプラントに入る合成マイクロファイバーの65〜99%を除去する可能性があり、その大部分は、嫌気性消化槽で平均15〜60日間消化される下水汚泥に保持されます。下のグラフは、廃水処理プラントのスラッジで55日後、CiCLOマイクロファイバー(赤線)が14.9%生分解されるのに対し、同等の未処理マイクロファイバー(緑線)はまったく生分解されていないことを示しています。 前述のように、プラントでの通常検査期間は最大60日であるため、55日間のみテストすることに注意してください。